症例報告
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何度も繰り返す寝違い~そもそも寝違いは、何がどうなって起こるのか?~

主訴

何度も繰り返す寝違え & 頭痛・食いしばり

問診

2週間前に首を寝違えた。
その日は首が全く動かせなかった為、仕事を休み整形外科へ。

手術するほどではないが側湾も強く、ストレートネックでもある為、ある程度は仕方ないと医師からは言われた。

とりあえず、応急処置として痛み止めと湿布をもらった。
2〜3日で首はなんとか動かせるようになり、痛みも半分くらいまでは軽減した。

しかし、それから2週間経った今でも3〜4割ほど首の痛みが残っている状態。

よくよく話を聞くと、だいたい2〜3ヶ月おきに寝違えているそう。

もともと不眠や倦怠感、頭痛や食いしばり、息苦しさなど様々な症状に悩まされている。

寝違えや自律神経症状の改善のため、自分で何かできることは無いかとピラティスに週一回通い、毎日ストレッチなども欠かさずやっている…が、効果を感じられない。

さすがに治療しないと寿命が縮みそう…と、ご友人からの紹介でご来院されました。

視診・触診

視診
側湾とストレートネックが確認できる。

触診
過度な首肩の過緊張がみられる。
首は触診できないほどの筋緊張があり、特に左の頭半棘筋ラインは顕著な圧痛がある。

治療部位

①頭半棘筋
②僧帽筋
③頭板状筋
④肩甲挙筋
⑤胸鎖乳突筋
⑥胸部多裂筋
⑦大後頭直筋
⑧棘下筋
⑨内、外側翼突筋

治療経過

1回目
術後、身体の緊張が抜ける感覚がある。
少し首の可動域が改善。

2回目
前回後、首の痛みが残り2割まで改善。
眠れるようになる。

3回目
首の痛みはほぼ消失。
可動域も以前よりひろがる。
また、倦怠感や息苦しさも改善してきた。

現在も定期的にメンテ治療を週一回行っている。

まとめ

繰り返す首の寝違い負のループ


『寝違いってなんですか?』
『なんで繰り返すんですか?』
単純質問ですが、答えられる人は意外と少ないです。

ギックリ腰も寝違いも、実は発生機序は同じです。

トリガーポイントには潜在型トリガーポイントと活性型トリガーポイントがあります。

潜在型は自覚症状に疎い。
活性型は自覚症状があるもの。

ギックリ腰や寝違いは、潜在型トリガーが活性化して急性症状として出ているものです。

薬やセルフケアでなんとなく痛みが軽減して…を繰り返しているとドカンと自律神経症状が出たりドカンと痛みが出たりします。

何度も繰り返すのはトリガーポイントがそこに在るからです。

早めに治しておかないと、繰り返すだけではなく首コリが引き起こす病気のリスクにもなります。

『枕が悪いんじゃないか』と思いがちですが、枕は関係ありません。
首が悪いから枕が合わないと感じるだけです。

『姿勢を良くしないと』と思いがちですが、姿勢は関係ありません。
姿勢はトリガーが消えれば自然と伸ばさなくなるので整います。

…と、いうように一般的には知られていないメカニズムが他にも沢山あります。

この時期で言うと、カイロを同じ場所に貼ったりしていると患部の自律神経がバグるので冷えたりします。

ホットヨガやサウナなど、汗かいて気持ちがよい…「ととのう」…と思いがちですが、
実際は冷え性の人や自律神経の持病、頑固な疼痛がある方が好む傾向が多いです。

私はその辺の「ととのう」…に対しては疑問を持っています。
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