4.CNMSを改善するには
では、CNMSは、どうしたら治るのでしょう?
症状が進行している人は、頚部の筋に対して電気治療や手技療法・鍼治療を行うのがベストでしょう。電気治療ではなかなか改善しないケースも多いですから、やはり的確にコリに対して手技療法や鍼治療でアプローチする事が必要です。頚部に形成されたコリは寒冷刺激やストレスによって増悪しますので、CNMSを根本的に解決するには『コリに対して直接アプローチ』していかなくてはなりません。そして、コリに対して直接的にアプローチする=鍼治療を行うことで、早期改善が見込まれます。
CNMSだと気が付いた頃には大分症状が進行している事が多いです。一日も早く治療を始める事が、早期改善への近道です。しかし鍼の刺激量などは患者様お一人お一人によって異なります。早期治癒を望み、焦って治療を行うと刺激量過多によるだるさなどが出る可能性があるので、注意が必要です。
また、鍼治療以外にも、自宅や職場でもしっかり症状が進行しない様にケアをする事も重要です。
パソコン作業中は、20分に一回くらいは肩を回したり、首を動かしたりしましょう。
また、お風呂でゆっくり首を温めたり、肩まで浸かるのが苦手な人はレンジでチン出来るようなホットパックなどを肩に載せてケアする事も必要です。自宅でのケア+コリに対する治療=CNMSの改善に繋がります。
どれくらい治療を継続すれば良いか?という質問も、数多く頂きます。首のコリによって様々な症状が出るのが特徴ですから当然症状が少なければ早期回復します。症状が多ければそれに応じて治療回数も多くなるでしょう。早期治療を行う事が、早期改善への近道です。
とはいえ、なかなか自分の症状が『首のコリ』によるものだと気がつきにくいというのが、現状です。
首が痛むというメッセージがあれば、まだCNMSと気が付く事もあるでしょうが、時に痛みの感受性が強い方や仕事などを忙しくしている人などは、コリを感じていない人がいます。コリは体からのメッセージですから、コリを感じていない人は、ある時に一気に症状が出てしまい、苦しむ方も多くいます。
多くの方は首のコリが、様々な不定愁訴に関係しているとは考えません。コリが出ている人はそれが様々な症状の原因であるかもしれないと認知して頂く事、コリが出ていない人はひょっとして自分は首が凝っているのかもしれないと思う事がCNMS早期発見のポイントです。
CNMSについて、よく患者様から頂く質問があります。
その質問について、お答えします。
Q.この病気はストレートネックとは関係していますか?
ストレートネックはいわゆる頸椎の後弯です。背骨はもともとS字状に弯曲しており、頚部は本来ならば前弯しています。前弯が著しく消失すると頸椎後弯という状態になり、その状態を一般的にはストレートネックと呼びます。ストレートネックになると大きなスイカ(頭)をバネの力を失った首で支えていますから、頸椎の周りにある首の筋肉が悪くなってきます。つまり首コリになりやすいという事です。首コリになりやすいという事はCNMSにもなりやすいという事ですから、関係していると言えるでしょう。
Q.ストレスはこの病気の大きな要因になりますか?
元々頚部にコリがあればストレスによってストレス感受性が増加し、コリを強く感じる事もあります。そしてコリがあればストレスを感じやすくなり、ストレスを身体が消化できずにいると、いずれCNMSとなってしまう事もあるでしょう。ですが、全てをストレスが原因であると位置づけると「じゃぁどうすればいいんだ…」となります。なのでストレスを消化できる心を体作りにしていくという事です。そのためにも、首コリを根本的に治しておくことは重要な事なのです。
Q.薬での治療は有効ですか?
運動は行った方が良いでしょう。ただしコンタクトスポーツや、首に負担をかける可能性があるスポーツは控えた方が良いかもしれません。水泳などはいいかもしれませんね。肩甲骨から首につく筋肉は非常に多く、クロールで泳いで行って背泳ぎで戻ってくるような動きを行えば、肩の可動域をしっかり使っている事になります。しかし、運動しなきゃと切迫する必要はありません。好きな運動を無理なく行う事が、一番良いと思います。
Q.何か運動はしたほうがいいですか?
運動は行った方が良いでしょう。ただしコンタクトスポーツや、首に負担をかける可能性があるスポーツは控えた方が良いかもしれません。水泳などはいいかもしれませんね。肩甲骨から首につく筋肉は非常に多く、クロールで泳いで行って背泳ぎで戻ってくるような動きを行えば、肩の可動域をしっかり使っている事になります。しかし、運動しなきゃと切迫する必要はありません。好きな運動を無理なく行う事が、一番良いと思います。
Q.普段の生活の面で気をつける事は何かありますか?
基本的には首が凝らないような生活を心掛ける事です。寒冷刺激・ストレス・持続的姿勢・VDT作業・ゲームなどは要注意です。冬場は首を温め、夏場は冷房などの刺激を首に与えない様に注意して下さい。お仕事でパソコン作業が多い方は首や肩甲骨を20分おきに動かしたり、席を立ってリラックスして下さい。また、自分で首をゴリゴリ押す事はあまりよくありません。下手にコリを刺激するのは止めた方がいいでしょう。健康グッズなどで肩を押したりするものがありますが、私はあまりお勧めしていません。同じ場所を中途半端な刺激で治療しても脳が痛みを覚えてしまう事があるからです。肩甲骨周りなら多少効果はあるかもしれませんが、首の筋肉は深くて厚いので、その様な器具では深部の治療は出来ません。よって根本治癒を目指すなら深部の筋に対してのアプローチ(鍼治療)を行う事が最も適切な選択でしょう。常に首を意識してしまう様な状態の時はすぐにマッサージ治療や鍼治療などを行った方が良いでしょう。