症例報告
症例報告
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天候の悪い日、吐き気が出るほどの頭痛がある。頭痛は毎日、いつからか覚えていないほど。

主訴

毎日の頑固な頭痛 & 慢性的な首肩こり

問診

いつからか覚えてないほど、ほぼ毎日頭痛に悩まされている。
側頭部を強く締め付けられるような頭痛。

特に天候の悪い日や夜勤明けの朝などは痛みが強くなり、吐き気、時に嘔吐するほどである。

以前はマッサージやカイロなど、定期的に行ってた。しかし一時的に楽になるだけで長続きしないので最近は行っていない。

頭痛外来にも通院していた時期があったが、結局薬やら枕やら…改善には至らなかった。
食いしばりのせいか起床時に顎が疲れている事があり、開閉時の痛みや違和感がある。
睡眠障害や倦怠感、眼精疲労の症状も強く、日常の生活にも支障がでている。

この状況を少しでもどうにかしたいとSNSで検索していたら、当院のInstagramに辿り着きご来院へとつながりました。

視診・触診

視診
皮脂(+++)
交感神経緊張の皮膚所見が確認できる。

触診
筋緊張(+++)
表層の圧痛も強い。

治療

頭痛に対しては頚部の頭半棘筋や後頭下筋群。
噛み締めや顎の痛みに関しては内・外側翼突筋と側頭筋に形成されたトリガーポイントによるものと判断し治療開始。

主な治療部位

①頭半棘筋
②僧帽筋
③胸鎖乳突筋
④肩甲挙筋
⑤板状筋
⑥内・外側翼突筋
⑦側頭筋

治療経過

1回目
症状の強さと触診から判断。経験則で初回から刺激を入れて治療。
頭半棘筋停止部、後頭下筋群(大後頭直筋)刺鍼時に側頭部への再現痛が出る。
術後、目と頭がスッキリする感覚がある。

2回目
前回後、数十年ぶりに頭痛がない日が続く。
しかし、2日目の夕方には頭痛と軽い吐き気が出る。

3回目
首肩こりが以前より軽減してきた。
頭痛も治療後、4日間は出なかった。
目は調子がいい日が続いている。

4回目
頭痛はたまに出る…というところまで回復。
頭痛が出ても痛みのレベルが弱い。
顎(くいしばり)も以前に比べて断然良い。
治療していく中でどんどん調子が良くなり、
改めて身体が悪かったのを自覚したとおっしゃっていました。

9回目
4回目の治療以降頭痛は出ていない。
顎の状態も良い。
現在も週に一度の治療を継続している。

まとめ

~食いしばるから首が悪くなるの?首が悪いから食いしばるの?~


『食いしばるから首がこっちゃって…』

これはよくある勘違いです。

『食いしばるからマウスピースをしています』

これも実は、勘違いです。

マウスピースは『歯を守るためのもの』です。
欠けたりしてしまうケースではマウスピースは良いのですが、ずっとしているのも何の解決にもなりません。

逆にマウスピースがある為、『逆に噛めちゃう』ので咀嚼筋にトリガーポイントが形成されやすくなります。

卵が先か、鶏が先か…のお話で言うと、
間違いなく『首コリが先で、食いしばりが後』です。
なので、『首コリを治さないと食いしばりも治らない』が正しいのです。

これはあまり知られていない盲点です。



P,S
最近、
「顎関節症を治すためにボトックスをしました」…と問診時に聞く事が増えてきました。

結局当院に来ているという事なので、顎関節症が治っていないから来ているのですが、
私はボトックス注射で顎関節症を治す…という概念が理解できません。あるべき場所に在る筋肉の動きを制限させる...というのが良くない。

咬筋に打つケースが多いようですが、ボトックスは結局その筋肉の収縮を弱めて関節負担を軽減させる…という目的です。

そもそも顎関節症の原因は咀嚼筋トリガーポイントなので、ボトックス注射で収縮力を弱めれば症状は減るかもしれませんが筋肉そのものの機能を抑制させるというのは良くないのではないかと思っています。(実際ボトックスを打った人は改善速度が遅い)

患部だけ診るのではなく、首コリ治療こそが顎関節症状の盲点なのです。
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