症例報告
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寝起きに首と肩が固まっている…同時期に現れた自律神経症状

主訴

寝起きに首と肩が固まっている… & 自律神経症状(不眠・頭痛・倦怠感)

問診

約2週間前、朝起きると首肩が突然ガチガチに硬直していた。
起き上がるのも困難な状態だったが、数分かけてなんとか起き上がることはできた。

その後、自分で首肩を揉みほぐしてようやく少し動ける状態に。。。
過去に寝違えは何度か経験しているが、今回はいつもと比べ、レベチな気がする。。。

特定の動きが痛い、出来ないというよりは首から肩にかけて完全に固まってしまっている感覚。
力が抜きたくても抜けない。そして動かない。。。

通常通りとまではいかないものの、
その日は夕方頃にようやくある程度の状態まで動けるようになってきた。

そして、
翌日また起きると前日と同じように朝硬直している、、という状態がかれこれ2週間ぐらい続いている。

さすがに毎晩寝るのが憂鬱で精神的にも不安定な状態に。
不眠症状をはじめ、頭痛や倦怠感、集中力の低下なども気になってきた。

近所の整体に行って解してもらったがさほど変化はなく、、
友人に相談したところ鍼治療をすすめられた。

元々鍼灸には興味があり、
病院に行く前に一度治療を受けてみようとご相談がありました。

視診・触診

視診
午前中に来院されたが、目視で明らかに分かるほどの首肩の過緊張と可動域の制限がある状態。

触診
首肩から背部にかけて過度の筋緊張と圧痛がみられる。
肩甲骨の挙上も確認できる。

〈治療部位〉

①頭半棘筋
②僧帽筋
③頭板状筋
④肩甲挙筋
⑤胸鎖乳突筋
⑥胸部多裂筋
⑦棘下筋

《治療経過》

1回目
術後、首肩の重怠さが残る。

2回目
前回後、朝の状態はまだ変化なし。
前よりは眠れているような気がする。
夕方の症状は以前より軽減。

3回目
朝の症状が5割程度改善。
硬直感はあるものの、すぐに起き上がれるようになった。
以前は夕方まで続いていた症状も昼過ぎ頃には動けるようになる。

4回目
残り2割。
久しぶりにぐっすり眠れた。
硬直感はないが可動域は若干制限がある。

5回目
調子が良い。
自覚症状も消失。

8回目
調子が良い日がずっと続いている。
現在は週に一度のメンテ治療をしている。

まとめ

痛みに我慢強い人に特徴的な、ドカンと現れる症状


人間それぞれ『感じ方』があります。
コリを早期に感じる人
自律神経症状を早めに感じる人...

私はよく、
『病の器(うつわ)』に例えます。

コップの器もあれば
ボールの様な器もあり、、、
その器からあふれ出たものが『自覚症状』です。

器に入っているのは『未病』すなわち『無自覚』な部分です。

時々ザバーッと症状があふれ出てしまうこともあります。

今回の患者さんは『病の器』が大きかったのでしょう。コリ感・痛み感・自律神経症状がドカンと出ていました。

鍼治療というのは患者の治療選択として第一選択になりにくい治療法です…が、
珍しくファーストチョイスで鍼治療を選択したことが早期改善になりました。

今回の様に様々な症状がある状態で病院に行くと、
各科で様々な診断名と薬を処方されます。
これが病の治癒を遅らせているのです。
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