症例報告
症例報告
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首に何度も注射を打ち続けた事により、
より頑固な疼痛になったケース

主訴

頻回のブロック注射により筋線維硬結化。
より頑固な疼痛となったケース

問診

肩こりの自覚はある。
疲労が溜まりすぎると体調を崩してしまう。

1年前くらいに本格的に体調を崩してしまいそこからめまいなどが頻繁に発症するようになった。
その当時は仕事を休職するくらい酷く、病院に行き様々な検査をしたが原因不明だった。

最終的に首のコリのせいかもしれないと言われペインクリニックにてブロック注射を打ってもらった。
その時はかなり楽になるが徐々に戻っていく感じ。

現在も3ヶ月に1回ほど注射を打ってもらっている。打たないよりは打ったほうがマシである。
整形外科にも行っているがリハビリをするだけで大きな変化は見られない。

1年前と比べると良くはなってきている気がするがめまいも頭痛も頻発する。
無理をし過ぎるとめまいで仕事に支障が出てしまうため忙しくても仕事がこなせない。

ブロック注射以外での根本的な治療法を探していたところ当院を見つけた。

視診・触診

頸部の顕著な硬結により筋肉同士の溝が触察しにくい
注射を打った部位が硬結化している(左頭半棘筋)酷い浮腫みでぼってりとしている。
皮膚緊張やベタつきあり(交感神経緊張状態)

治療

あまりに浮腫が酷いため最初の数回は浮腫除去をメインにきちんと響くよう治療し、その後はしっかりと筋硬結を狙って治療を進めていきました。

治療筋…僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋、頭半棘筋停止部

1回目…少し楽になりまた戻った感じ。浮腫が軽減するが自覚なし。

2回目…徐々に楽になってきた。めまいも完全ではないが頻度が減っている。

4回目…気にならないことの方が多くなった。頑張り過ぎると症状が出てしまうので油断できない感じ。

その後頭半棘筋の硬結が小さくなるにつれ症状が軽減していきました。

現在は症状は改善したものの、根の部分であるコリがまだまだ残っているため現在も治療継続中…

まとめ

ブロック注射は痛みのある部位の神経の近くに麻酔薬を注入し一時的に神経の興奮を抑え、痛みを改善させることができます。

局所的な治療であり薬物療法と比べて副作用などが少なく即効性が高いという点で当院に来院される前にも治療を行なっていたという方は多いです。

しかし、ブロック注射などの注射針は鍼治療で使用しているものよりはるかに太く、何度も打ち続けているとその部分が硬くなり返って筋肉や皮膚の動きを制限し酷くなるとその硬さが症状の原因になってしまいます。



何度も繰り返すご症状には必ず原因となっているトリガーポイントが存在しています。

症状を一時的に抑えるのも大事ですが、なぜ発症してしまっているのかを疑問に思うことが大切です。

今回の患者さんでは徐々に形成されたトリガーポイントにより首の環境が悪くなり、
仕事で無理をする→トリガーポイントが活性化→めまいや頭痛を発症→一時的に抑える→一時的なのでまた頑張りすぎると…

という悪循環の中にいました。

重要なのは症状を発症させてしまう身体の環境を見直し、発症しずらい環境へと作り整えていかなければならないという事です。

少しでも今のご症状や治療法に疑問に思い、なんとかしたい。

...とお悩みの方是非ご相談くださいませ
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