症例報告
症例報告
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半年以上改善しない腰殿部痛及び膝が伸びきらない症状

主訴:昨年から腰痛・殿部痛が悪化

昨年から腰痛・殿部痛が悪化。膝の痛みもあり伸びきらない状態が続いている。ストレッチや整体など、様々な治療法を受けたが改善しない。

都内のペインクリニックに通院してトリガーポイントブロック注射を受けている。MRIなどでは異常はない。

やはり注射なのでその時は効くが改善しているという感覚はない。週一度の通院をしている。早くトライアスロン競技に参加したい為、現状維持の治療ではなく治していきたい!…という事にて当院のトリガーポイント治療を受診しに来てくれました。

視診・触診:中殿筋・小殿筋・ハムストリングスに緊張

視診では腰部及び殿部、ハムストリングスに浮腫・色素沈着が診られました。

触診では中殿筋(特に腸骨稜付近)・小殿筋・ハムストリングス(特に内側)に緊張が強く診られました。

治療:トライアスロンの練習会にも参加できる様になるまで改善

鍼治療中心にて初めは主訴である腰痛・殿部痛に対してのトリガーポイントアプローチを行いました。

1回目の治療から効果を実感し、5回目の治療時には殿部痛や腰痛の自覚症状はほぼ消失。しかしまだポイントは残る為腰部・殿部に対してのアプローチは行いながら膝が伸びきらないという症状に対してハムストリングスの治療を行いました。

8回目の治療時には自覚症状の緩和が顕著に見られた為少しずつ運動を開始。10キロ程度は軽く走れる様になる。

12回目治療時にはトライアスロンの練習会にも参加できる様になるまで改善。しかし『足が伸びきらない』という症状がなかなか改善しなかった為、ハムストリングスの治療の他、2関節筋である腓腹筋の大腿骨付着部(内側&外側)に対してアプローチを開始。

現在治療継続中

まとめ

ペインクリニックでのトリガーポイント注射と鍼灸トリガーポイント治療の違いについて

最近では『トリガーポイント』という言葉をよく聞く様になりましたが、私がトリガーポイント治療を始めた頃はまだマイナーな治療法でした。

現在になりトリガーポイントという言葉をメディアでも取り上げられる様になり認知度が上がってきました。

しかし一般的なトリガーポイント注射では『ココが痛い』といった場所に注射を打つ治療だったりします。実際のトリガーポイント治療は『患者さんがココが痛いと言った場所ではないところに原因があるのではないか?』と疑問を持ちながら鍼先で『そこだ!』という認知覚責任トリガーポイントに鍼が当たる事)を探して行かなくてはなりません。

難しい治療法であり、認知を得ながら患者さんの症状が緩和していくプラセボを超えた治療であり、同時に難しい治療。なのでそこに魅力を感じ現在に至ります。

トリガーポイントには自覚症状のある活動性トリガーポイントと未だ辛い症状には至っていない(今後痛みの原因となりうる)(運動を阻害している)という潜在性トリガーポイントがあります。

活動性トリガーポイントを治療するのはもちろん、やはり筋肉というのは『連動』しています。連動している筋肉があれば当然のこと『なぜ、そこが痛みの原因になってしまったのか?』を考えなくてはならない為治療箇所は1ポイントでは済まなくなります。

更に顕微鏡画像を見ると分かりますが、鍼治療のハリは『刺す為だけを目的』として作られているので組織損傷が少ないです。

しかし注射のハリは目的が違います。組織を切りながら侵入する為同じ場所に何度も注射をしていると皮膚組織・筋組織、その他の軟部組織は硬くなり、場合によっては瘢痕化します。もし、硬くなってしまった部分・瘢痕化した部分が痛みの根本原因のボスだった場合、より治りが悪くなる事にも繋がります。

疼痛緩和を目指すのは同じ事ですが、これからスポーツを続けていきたい。パフォーマンスを上げていきたい。痛みのない状態を自然体で作りたい。そういった場合、鍼灸トリガーポイント治療治療を勧めます。
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