症例報告
症例報告
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食事をするのが恐い。食べると吐き気とメマイが起こる症状

主訴

食事をすると、吐き気と眩暈が起こる

問診

数か月前から、食事をし始めると、吐き気を催すようになる。

何か口に入れたくても、『また吐き気が出るのではないか…』と、不安になる。

食べること自体が恐くなる。消化器科に行くと『逆流性食道炎』と診断される。
特に逆流している感じは無いので疑問だが、『胃酸が多過ぎてそうなっているから、自律神経を整える為にも運動などをしてほしい。』と言われる。

言われた通り、身体を動かそうとするも気力が湧かない。次第に何をするにも億劫になる。
無理やり身体を動かそうとすると眩暈が起こり、身体を温めようと入浴すると頭痛がするように。

もう自分の力ではどうにもできない、助けて欲しい、と当院にご相談頂きました。

視診・触診

かなり痩せ細っており顔色も血色がなく悪い。
うつ伏せ時、背骨両脇の起立筋緊張が著しく筋膨隆が強い。

頚部では自律神経と密接な関係にある頭半棘筋後頭骨付着部に筋硬結が多く見られた。

治療

1回目
治療刺激に対する力も低下していると判断。
初回は表層の筋緊張を取る目的で治療を開始。
僧帽筋・胸鎖乳突筋・頭板状筋・頭半棘筋

2回目
初回より力が抜けリラックスしながら治療を受けられるようになる。
引き続き同筋肉に形成されたTPを同じ刺激量で治療

3回目
眩暈軽減。身体を動かすのが楽になる。
初回時に比べ声にも力を感じる。
治療ポイントを背中、頚部の深部筋まで広げて治療。
胸部多裂筋・後頭下筋群

4回目
やっと食欲が湧いてきた。
以前は「何か食べなきゃ」という感覚だったが「食べたい」と思うように変化。
元気も湧いてきている感覚がある。

5~7回目
眩暈、頭痛、吐き気が消え食事も楽しく摂れるように。

現在は週一度のペースで治療を継続している。

まとめ

食事による消化器系の動きと、自律神経働き

いわゆる口からお尻までの消化器系は、『副交感神経』の働きがポイントです。

交感神経が緊張している場合は消化器系の動きが悪くなります。慢性胃炎・逆流性食道炎・胃潰瘍などは全て交感神経が過緊張している場合に引き起こされる病気です。

今回のケースでは、本人がいわゆる『凝り』に対して無自覚。痛みに我慢強い体質でした。(女性に多い)

今までこり感を感じたことがあまりない…というケース程、いわゆる『疼痛』とは別に自律神経症状が現れます。不定愁訴というものです。

今回、逆流性食道炎という病名を告げられていましたが、結局食道に問題があるという訳ではなく、『無自覚に首や背部の環境が悪くなり、トリガーポイント形成による交感神経緊張症状』が原因でした。

食事は摂取する時は交感神経、食べ終わってホッとした時は副交感神経が働きます。

恐らく交感神経の過緊張状態が続いていたので消化器系が動かず、火に油を注ぐような環境だったのでしょう。

診断名が付くことによって治療が遅れるケースが増えています。(今に始まったことではないが)

『あれ?私の身体、どうしちゃったの?』

これが自律神経症状の感覚です。

なんでこんなに気分が優れないのか?なんでこんなに頭痛がするのか?なんでこんなに不安になるのか?なんでこんなに痛みが続いているのか?

そんな時に『〇〇症候群です』『〇〇痛です』『〇〇症です』????

だから何だ、だからどうやったら治るんだ、…と疑問に思うのが、大切ですよ。
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