症例報告
症例報告
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冬はしもやけ。頑固な冷え性の治し方

主訴

とにもかくにもずっと冷え性

問診

冷えや浮腫自体は今に始まった事ではなく10代の頃から感じている。

冬はしもやけ。足の末端は感覚がなくなる。
足先だけのホッカイロは常に欠かせない状態。

子供を産んでから、更に症状が悪化してしまう。
色々な対策をしてきたが、こういう体質なのだと思い、治療はもう諦めていた。

就寝時も足が冷えて寝つきがわるい。ずっと冷たい。暖かく感じる時が無い。そのため起床時はきちんと疲れが取れていない気もする。
お風呂に入って温まった後でもすぐに冷えてしまう。
最近では冷房が効いた部屋やお店にいると直ぐにお腹を壊してしまう。

全身的に凝ってはいると思うが、そこまで自覚は無い。無自覚であることが逆に恐い。

今年の夏は家の中と外とで気温差がひどかったこともあり、特に冷え性が辛く感じる。
治るものなら治したい…という事で相談を受けましてご来院されました。

視診・触診

殿部からハムストリングまでの筋緊張が強い。
出産後からの症状悪化を考慮し、骨盤が開き、周囲の筋緊張のバランスも変化したと判断。
全体的に浮腫が強く下腿は水風船の様にブヨブヨな感触。

治療

治療筋…中殿筋、小殿筋、腰部多裂筋、腸肋筋、ハムストリング、腓腹筋、後脛骨筋

使用鍼…寸6−2、寸6−3

1回目…大きな変化は見られない。

2回目…冷房をかけていても嫌じゃなくなってきた気がする。

3回目…徐々に冷えが改善されているのを感じる。よく眠れるようになる。

4回目…スーパーの生鮮食品売り場でも大丈夫。急な温度変化に強くなった感じ。

5回目…どこにいても気にならなくなり、基本的に足が温かい。こんなの初めて。血が巡っている。

6回目…冷えや浮腫だけでなく全身的に調子が良い。

現在は月に数回メンテナンス治療を継続中。
常に調子が良いという状態を維持できている。
(途中から首肩の治療も並行して行い首肩凝りやその他自律神経症状なども改善)

まとめ

冷え性は自律神経や免疫が絡んでくるので治るものなら冷えに強い身体づくりをしなくてはなりません。

今回のケースでは、元々の体質+産後の骨盤周囲の筋力低下+育児等による自律神経失調が絡んでいました。(長年過ぎますが)
トリガーポイントが蓄積されていき徐々に症状が悪化…。気づいた時には温度調節がきちんと出来ない自律神経の乱れた体が通常になってしまったと考えられます。

出産により骨盤の形状は変わります。骨盤が開くと骨盤内の血流低下や殿筋群の収縮ベクトルが変化する為トリガーポイントを形成しやすくなり、無自覚な血流障害が起こります。

潜在性トリガーポイントは許容量を超えると何かの拍子に活性化し様々な症状を発症させます。
今回の患者様はその活性化するタイミングが冷房や季節の変わり目にありました。
その度に疲れも取れない日々が続き、やっと落ち着いたと思ったら次の季節の変わり目が来るという常に疲れている状態にあった様です。
冷えや浮腫みの原因となるトリガーポイントを除去していったことで、回を増すごとに改善され冷房の効いた場所でも気にせず過ごせるようになりました。

冷えや浮腫みといった症状は痛みや痺れと違って直ぐに治療しようという流れになりにくいです。
しかし放っておくと、自律神経・免疫力を乱します。

冷え性は老化も早めるので注意ですね。
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