症例報告
症例報告
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殿部の痛み・歩けない・歩行時に症状が強い・刺さるようなピシっとした腰の痛み

主訴

4日前まで少し走れる位元気な状態だった。
電車にのる時に小走りで走ってから徐々に症状が悪化。腰の刺さるような痛み、背中の痛み、腰の痛み、左足股関節の痛みが出現してしまった。
朝、歩けなくなり整形外科に行く。レントゲンを撮り脊柱管狭窄症と診断された。血流を良くする薬を処方され服用している。
1時間位電車に乗り友人に会いに行く位元気だったが、現在は痛みで動くことが困難な状態である。
元々パーキンソン病の既往があり、現在も薬物療法を継続している。

治療

視診や触診の状態から、①中殿筋②大腿筋膜張筋③小殿筋にポイントを絞り集中的に鍼治療を行いました。

1回目:治療後は歩行が少し出来る様になる。痛みは強い。
3回目:症状に波が出るが、歩行が出来るようになる。相変わらず痛みは強い
7回目:痛みが徐々に減少する。家族が第三者的に見ても歩行や痛がり方が変化し、歩行も早くなる。

現在週三回の鍼治療にて継続治療中。

まとめ

荷重のかかる部位のトリガーポイント

今回の症状は多くの疾患名にとらわれる事が多いですが、急な小走りをした事による中殿筋・大腿筋膜張筋・小殿筋のトリガーポイント活性による痛覚過敏症状という事が視診・問診・触診にて分りました。
高齢になると①痛みが起こる→②画像診断を行う→③当然通常とは違う部位がある→④それが今起こっている痛みの原因と結びつけてしまう→⑤改善しない…というケースが多いです。
『ココが痛い』と言っているポイントが、『本当にそこが原因なのか?』と治療者は疑わなくてはならないにもかかわらず、『ココが痛い』と言われて『そこが原因ですね』という治療を行っていては、様々な部位に関連痛症状を引き起こすトリガーポイントが原因の場合、なかなか治らないという結果につながってしまいます。

特に腰が慢性的に硬い場合、腰の筋肉は骨盤に付着していますから骨盤の動きが悪くなります。
すると股関節の筋肉に負担がかかりトリガーポイントが形成されます。
ある動作をキッカケに急にトリガーポイントが活性化して痛みが出てしまうのも時間の問題となります。
荷重のかかる部位は現在痛んでいる部位と違う部位も検討しながらの治療が必要となります。
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