症例報告
症例報告
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尺骨神経支配領域の痺れ・尺骨神経の逸脱・肘部管症候群

主訴:肘部管症候群と医師には診断される

肘部管症候群と医師には診断される。
先日筋力トレーニングをしていた際、肘関節の屈曲をした時にビリッとした電撃が走る。それ以来尺骨神経領域に軽い痺れ。特に小指側の小指球に違和感が残る。

始めに近所の鍼治療院に通うも改善せず。都心の治療院にも10回以上通院したが症状は全く改善の傾向がなかった。

少し遠方でしたが、当院のHPを見て「なんとかして欲しい」という事にてご来院してくれました。

視診・触診:視診では右肘部に手術痕が診られた

視診では右肘部に手術痕が診られました。お話を聞いてみますと過去に関節ネズミにて3回手術をした経験がありました。

触診では左右の尺骨神経をチェックしますと患部の尺骨神経が肘部管から逸脱しており肥厚している様子が診られました。

治療:1回目から尺骨神経に直接的にアプローチ

おそらく今回の症状は過去の3回の肘の手術によりなんかしらの影響にて尺骨神経が本来ある位置から逸脱していました。
肘関節を最大屈曲すると肘関節により尺骨神経が強制的に伸長される様な状態になり今回の症状を引き起こしたものと考えられました。
特に尺骨神経支配領域の筋肉の萎縮や筋力低下などはみられなかった為、筋力トレーニングをした際に尺骨神経がちょうど伸長される場所に乗っかり肘関節を屈曲した時に過度に伸長された結果の症状と判断しました。

治療1回目:1回目の治療から尺骨神経に直接的にアプローチを行いました。同時に尺側手根屈筋、小指球などにもアプローチを行いました。
3回目:1回目の治療時から症状はほぼ半減。初めて治療にて効果が現れました。
10回目:症状は10から2まで減少。
15回目:時に少し気になる程度だがほぼ改善。運動も少しずつ再開している。

まとめ

神経が原因の症状に対する鍼治療の有効性

神経が原因にて起こる症状は、神経炎による痺れ・ビリビリ・ピリピリ・違和感・紙一枚貼った様な感覚などなど。
神経圧迫による症状は筋萎縮。
神経離断による症状はその領域の完全麻痺です。
鍼治療は唯一神経に刺激を不安なく与えられる外科的な治療法です。
過去に当院でも完全麻痺にて足を動かせない方や、上腕骨骨折により橈骨神経を傷つけてしまい完全麻痺という肩も回復した事があります。(それなりの時間を要します)
今回の症状は少し特殊な例でしたが改善して頂きこちらも光栄でございます。
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