症例報告
症例報告
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実は増加中…『嚥下』に関わる症候群

主訴

水分を飲み込みにくい

問診

数ヶ月前からの症状。
夏風邪をこじらせて、だいぶ長引いてしまった。
普段は風邪を引いてもすぐ治る方だった。

風邪の治りかけ時期に喉が1番辛く、痰が多く出るので飲み込もうとすると『ん?』と、違和感があった。
最初は『なんか飲み込みにくいな…』という感じだった。しかし徐々に飲み物が飲み込みにくくなってしまった。

なぜか固形物は平気なのに、水分類を飲み込むのに抵抗があり怖く感じる。
現在も朝は平気で夕方に近づいてくると発症する。
首肩こりを感じると症状が出始める気がする。

昔から錠剤など、嚥下は得意では無かったが気にせず今まで過ごしてきていた。
飲み込みにくさで日常生活は送れないことはないが常に気になってしまう。

夜は比較的眠れている方で体の疲れやコリは自覚がない。もちろん自律神経系の乱れもわからない。

病院でもらったお薬を飲んでいても変化が見られない為、他の治療を探していたところ国立おざわを発見してくれました。

視診・触診

頚部浮腫(+++)
背部の筋緊張(++)
胸鎖乳突筋の過緊張
うつ伏せ時も肩が上がっており身体全体が力んでいる。

治療

①潜在性TPが蓄積され続けた結果、免疫力が低下。夏風邪に。そして治りも悪い。
②胸鎖乳突筋のTPが活性化した事により嚥下障害を強く感じる。
③交感神経緊張による唾液の分泌の低下により、嚥下運動に負荷をかけているとも考えられた。

鍼の響き刺激を脳にTPを認知させ、交感神経優位の身体に強制的に副交感神経を上げる治療を行う。
自律神経のバランスが上手く取れる身体づくりを目指す治療を行った。

1回目
かなりイイ。
飲み込みにくさを忘れる瞬間が出てくる。
しかし思い出すと体が緊張して飲み込みにくさが出る。
メンタルも関係しているのかも。

3回目
ふと思い出して緊張しても再発する事がなくなった。
その後数回治療し、症状は出ていない。

鍼の響きが求めていた感覚らしく、現在も週一度の治療メンテを行っている。

まとめ

意外と多い嚥下障害~唾液の質は2種類あるのです~


嚥下障害以外にも、
『常時喉に何か詰まっている感覚』
『飲み込むときに引っかかりを感じる』
『食べ物や飲み物が入ってむせる』
などなど、
『ヒステリー球』と呼ばれる症状や『梅核気』と呼ばれる症状が増えています。

首コリが慢性化すると『頚部浮腫』という環境になります。
頚部浮腫になると副交感神経を圧迫して交感神経が緊張します。

実は唾液の成分は2種類あります。
交感神経→ネバネバ系唾液成分(緊張すると口が乾く)
副交感神経→サラサラ系唾液成分(寝ているとヨダレ垂れる)

スマホ首が多いので、交感神経緊張の人が増えています。

嚥下関係の不調を感じている人のほとんどは『首コリによる交感神経緊張』です。
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