症例報告
症例報告
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風邪の後の動悸や胸の痛み、体温調節障害

主訴

胸の痛み・動悸・体温調整ができない

問診

数か月前から不眠と原因不明の胸の痛みに悩まされている。
胸の痛みに関しては病院で検査をしたが原因は分からなかった。

心当たりといえば、症状が出る2ヶ月前に風邪を引いて咳が止まらなくなり、それ以来何となく身体がこわばっている感覚があった。

上記の症状以外にも食欲不振や動悸、体温調整がうまくできない、頭が急に回らなくなるといった病院で検査したが原因がわからない不定愁訴に悩まされている。

今回のように不眠の症状がここまで酷くなった事はなく、日常生活にも支障が出ている。

様々な不定愁訴も各病院に行くごとに診断名を言われて薬も増えている事に不安を感じ、ちゃんと治したい…ということにて来院されました。

視診・触診

触診にて首肩から背中にかけての筋緊張と皮脂の過多(交換神経緊張の時にみられる現象)がある状態。

頭半棘筋ラインと胸部多裂筋に顕著な圧痛もある。

治療

主な治療部位
①頭半棘筋 ②僧帽筋 ③胸鎖乳突筋 ④胸部多裂筋 ⑤板状筋 ⑥肩甲挙筋

治療経過

1回目
特に変化はない。

2回目
食欲が出てくる。
(治療のメインを胸部多裂筋に変更)

3回目
胸の痛みが以前より軽減。
咳の症状も気にならなくなってきた。
睡眠はまだ薬を飲まないと寝れない状態。

4回目
調子が良いと感じる日が増え始める。

5回目
仕事でストレスがあり、急に背部痛が出てきた。
息苦しさも少しある。

6回目
前回治療後、背部痛と息苦しさ消失。
睡眠も以前に比べて取れるようになってきた。

その後、治療を行うごとに、胸の痛みや動悸、不眠の症状が緩解。
長年患っていた体温の調節も出来るようになり自律神経が整ってきたことを実感する。

現在もメンテナンスを含め、治療継続中である。

まとめ

胸部多裂筋

この胸部多裂筋という筋肉は背部の深層部に位置します。

西洋医学的には認知されていませんが、胸部多裂筋トリガーポイントは背中の痛みだけでなく胸の痛みや動悸、咳や手先の痺れ、逆流性食道炎や胃腸の症状の原因となります。(胸の痛みや動悸、体温調節ができない、不眠や食欲不振etc..の原因でもある)

ストレスや過労だけでなく、不規則な生活リズムや食事の偏りはもちろん、ここがポイント『頚部環境の悪化』により、交感神経と副交感神経のバランスが崩れる事で様々な自律神経疾患(不定愁訴)があらわれます。

原因となっている首のトリガーポイントへの的確な治療は、過度な交感神経緊張に傾いている状態から副交感神経を優位にしてあげる事で首の環境改善から自律神経を整えることができます。

この時期は自律神経の乱れで体調を崩す方が多くみられます。
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