症例報告
症例報告
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長引く腰痛の原因

主訴

腰が痛む。何年も前から5分歩くと腰が痛くなる。今年の3月に整形外科にてレントゲン撮影を行った際、椎間板ヘルニアと診断された。
痛みはどんどんとひどくなり、左の殿部から足の裏にかけて痺れ症状が出ていた。
色々な場所に痛みが出てきて自宅での安静時にも痛みが出現してきた。
痛み止めを服用するが、薬が切れるとまた痛みが出てくる。胃の状態も悪くなってきた。

視診・触診

痛みにより身体が歪んでしまうという疼痛性側弯が認められる。
触診では腰部・及び殿部に緊張が見られる。

治療

腰部・殿部に対しての鍼治療を行った。
腰部多裂筋・中殿筋のトリガーポイントに鍼が響鍼すると、認知覚がみられた。

1回目:10→8 少し良い。
5回目:10→5 劇的に改善する。階段が登れるようになる。杖が無くても歩けるようになる。
10回目:よく歩けるようになったせいか、運動量が増え痛みが増す。。。
12回目:10→2 ほぼ痛みがなくなる。しかし今まで腰をかばっていたせいか、膝関節に痛みが出現するようになった。

現在腰部を予防的に治療し、膝関節を中心に治療中。。。。

まとめ

椎間板ヘルニアには2つの説があります。
①神経圧迫説:ヘルニアが神経を圧迫して痺れが出るもの
②神経炎症説:ヘルニアが出た事により身体がそれを異物と判断。免疫系がそれを攻撃し炎症が起こり神経に炎症が波及して痺れが出るもの。

最近では②の神経炎症説が正しいと言われており、椎間板ヘルニアで手術をするケースも減りました。
免疫系がそれを貪食する事により長い人で6ヶ月で炎症が治まります。
つまり最近ではヘルニアで手術はしなくてもよい…という認識が広がっています。

今回のケースではヘルニア以外にも腰部多裂筋及び中殿筋のトリガーポイントが痺れ症状や痛みを出現させていた可能性がありました。
痺れがある=神経が原因である・・・というように西洋医学では決めつけがちですが、筋肉にトリガーポイントが出来るとそのトリガーポイント内在筋の関連痛や痺れ症状が出現する事があるのです。
その部位に鍼を響鍼させる事により疼痛は緩和します。
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