症例報告
症例報告
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ブチブチという音と共に起こった下腿肉離れ

主訴

自宅で飼っている猫ちゃんに餌をあげようと前屈みになって踏ん張った際、左のふくらはぎに激痛が走る。

痛めた際にブチブチっと筋肉が切れる様な音が聞こえた。直後から脚を引きずって歩く程で、体重をかける事が出来ない。
特にふくらはぎの上の方に強い痛みを感じる。

鍼治療は初めてだが、『肉離れの症状には鍼治療が良い!』...とご家族からの勧めで痛めた当日にご連絡を頂き、御来院頂きました。

触診・視診・運動検査

左の腓腹筋の内側頭に顕著な圧痛、腫張、足関節の底屈痛、歩行時の荷重時痛が視られました。
内出血は受傷直後な事もあり視られませんでした。

下腿三頭筋について

ふくらはぎの筋肉は下腿三頭筋と呼ばれ3つの筋肉(①腓腹筋内側頭②腓腹筋外側頭③ヒラメ筋)から構成されています。

それぞれ3つの筋肉が合わさってアキレス腱となり踵骨(かかと)に付着します。

働きとしては、足関節の「底屈」という足首を下に向ける運動を行います。
日常で、立っている時や歩く時、階段の昇り降りをする際などさまざまな動作の時に働きます。

浅層には腓腹筋(内側頭、外側頭)

深層にはヒラメ筋があります。

施術部位・治療経過

施術1回目→腓腹筋内側頭をメインに、腓腹筋外側頭、ヒラメ筋、後脛骨筋に対して鍼治療を行いました。
治療後痛みの緩和が診られる。

施術2回目→まだ歩行時の痛みが辛い。横向きで歩行をすると楽である。ヒラメ筋の層にも鍼の本数を増やした。
ペインスケール10→8

施術3回目→前回治療後怠さを感じたが、翌日の午後くらいからグッと楽になった。
歩行スピードが上がった。
ペインスケール8→6

施術4回目→痛みの具合は当初の半分以下になった。腫れの減少が診られる。
ペインスケール6→4

施術5回目→痛みの緩和。歩行はだいぶ楽だが段差で痛みを感じる。

また、ここに来て内出血が診られる様になった。深層部を痛めている時程、内出血が時間が経ってから現れる事が多いです。(受傷後一週間経過)

肉離れの治療では、内出血を散らして、患部の悪循環を作らない事が、違和感を残さずに治癒する上で大切になって来ます。
ペインスケール4→2

施術6回目→内出血がアキレス腱の方へ降りて来た。
痛みはほぼ感じない位になった。多少の違和感が残る。

施術7回目 痛み、違和感の消失。 ペインスケール→0

まとめ

歩くのも困難な程でしたので、間隔を詰めて治療させて頂きました。

痛めたその日から鍼治療を行った事により湿布などの保存療法で時間だけ経過してしまい瘢痕化する事もなく、直ぐに鍼治療という理想的な形で回復し予後良好。
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