症例報告
症例報告
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10年間続く不眠

主訴:10年間、毎日の様に眠れない

不眠症。
10年間、毎日の様に眠れない。
足の冷えもある。
眠れたとしても毎日3回くらい目が覚める。
全体的に眠りが浅い。熟睡できない。
初めは心療内科へ。精神科にも通った。
睡眠薬を処方された。薬が効かず、抗うつ剤を処方された。
薬が身体に合わず、どんどんと体調が崩れていく。
薬を止め、漢方をもらったりしていたこともある。
しかし漢方も効かなかったが、以前から患っていた慢性的な腹痛などの症状には少しきいた。
カウンセリングも受けたが、改善なし。

最近1年は地元の鍼灸院へ。
そちらでは冷えがある為眠れないのではないかという事で、腰から下の治療を中心に行っていた。
冷えには少し効果が出ているが、それ以外の症状には改善が診られない。
当院にはご遠方からのご来院となりました。

治療:不眠には頚部。自律神経の乱れには背部を治療

治療部位は上図の3点。
不眠には頚部。
全身的な自律神経の乱れには背部。
そして冷えに対しては股関節の治療を中心に行いました。

治療結果:3回程度の治療後、眠れる日の方が多くなる

頚部の表層の筋の治療を行いながら早期に改善が診られそうな冷えに対するアプローチを行いました。
治療部位は大殿筋と中殿筋の奥にあります小殿筋。

小殿筋のトリガーポイントは足の冷え・静脈瘤・足の痺れなどなど様々な症状の原因となる部位です。
2〜3回の治療で股関節の違和感や冷えの改善が診られました。

冷えも改善されてきたところで頚部の治療を本格的に行いました。
表層の硬結はほぼ改善し、不眠の根本である頭半棘筋下部のトリガーポイント処理を行いました。
5回程度の治療を行うと、今まで眠れなかった日の方が多かった毎日の中で、眠れる日と眠れない日が交互に訪れるようになりました。

頚部の緊張が取れ始めると、背部の緊張が強く感じるようになりました。
背部の最深部である胸部多裂筋・胸部回旋筋などのトリガーポイントの治療を行いました。
3回程度の治療にて、眠れる日の方が多くなり10年間の中で最も体調が良いと言える程に回復してきました。

その後数回の治療で症状は消えたようです。

まとめ

不眠の治し方

不眠にはこのポイント。。。という都合の良いポイントはありません。
トリガーポイントが形成されると体が交感神経緊張状態になる為自然と眠りが浅くなったり眠れなくなったりします。
トリガーポイントに鍼が当たると体は強制的に副交感神経が活性化します。
強制的な副交感神経機能の活性を促す治療法は鍼の響きのみです。
良い睡眠をとる為には副交感神経機能の活性が不可欠であり、隠れているトリガーポイントを探して響きの治療をしていく必要があります。

患者様一人一人の生活や仕事で負担のかかりやすい部位などを見抜き施術を行う事が求められます。
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