症例報告
症例報告
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頭痛・不眠・不安感などのパニック症

主訴:頭痛・不安感・眠れない

頭痛・不安感・眠れない。
元々頭痛持ちだったが、最近急に我慢できない程の頭痛が頻繁に起こる様になる。
ロキソニンなどを服用していたが、薬が効かない位症状がひどくなってしまう。
子育てもしており常に心休まる暇がない。
授乳中の子供さんもおり、夜も眠れない日が続く。
最近になり急な不安感やパニック発作が出る様になり、心療内科を受診。薬を出されたが抵抗があった為様子を見ていた。
たまたま知り合いから当院の紹介を受け、ご来院してくれました。

視診・触診:右頭板状筋後頭骨停止部に異常な緊張

視診では特に異常は診られませんでした。
触診では右頭板状筋後頭骨停止部に異常な緊張がありました。

治療:6回目〜不安感や頭痛、不眠などの症状は消失

お身体が交感神経緊張の状態の為コリ感を感じる事が少なく、様々な不定愁訴が出現していました。
この様な場合、治療をするごとに今まで感じていなかったコリ感を感じ始める事もある為、治療は初め低刺激にて、細い鍼を使って治療を行っていきました。

1回目:少し楽になる。10→8
2回目:右の頭板状筋部に強いコリを感じ始める。治療前よりも不快な状態である。8→15
3回目~4回目:予想通りコリを強く感じ始めた為、その部位に対して直接的なアプローチを開始しました。少しずつコリ感は減少して行きました。15→10
5回目:10→5.症状が半分に軽減する。
6回目:5→1 ほぼ症状は寛解する。右の頭板状筋後頭骨付着部付近の痛みも消失する。それと同時に不安感や頭痛、不眠などの症状は消失する。子育てで眠れない時もあるが、前より余裕が出来るようになる。

その後数回の治療で症状は消えたようです。

まとめ

感じていないコリを感じ始める

子育て中はとにかく忙しいです。
その為身体が交感神経緊張状態となり、常に戦っている状態になります。
すると自分の身体の状態が分らなくなり、自律神経のバランスを崩して様々な不定愁訴が出現し始めます。
今回のケースでは明らかな圧痛があるにも関わらず、そのポイントを本人が認知していない程のレベルだった為、治療して自律神経が整い、自分の身体の不調に気が付いた時に余計にコリ感を感じる事が予測されたため「治療初期は少し症状が悪化する可能性がある」…という事をご本人にご理解を頂いた上で治療を行いました。

本人が気が付いていないのに異常な筋緊張が認められたのが上図の通り。
①肩甲挙筋
②大・小菱形筋
③頭半棘筋後頭骨停止部
④頭板状筋後頭骨停止部

治療では今後どの様な経過をたどるか?という説明も重要です。

特に春・秋など季節の変わり目は自分の身体に気が付かないままに症状が進行している事も少なくありません。
治療者サイドが気が付いて、的確に指導しながら治療していく事が重要です。
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