症例報告
症例報告
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30代女性、脳出血後の半身麻痺

主訴:脳出血後の右半身麻痺

問診

昨年梅雨時期、脳出血。
脳外科にて手術を行う。
術後からは右半身の感覚障害・運動障害がある。運動障害よりも感覚障害が強い。
肩の強いコリ・ダルさ。頭重感・クラッとしたりフワフワする感。
術後からそういった症状が感覚障害以外で出現している。

右半身が常々重い状態。しかし足裏が地面に着く感覚はしっかりと残る。温痛覚は正常。
現在リハビリに週2回ほど通院している。リハビリも重要だが、リハビリの効果がより出る様に筋肉のサポートや自律神経機能、そして術後より出現する不定愁訴・辛い症状を何とかして欲しい…当院患者様からのご紹介にて来院されました。

視診・触診

骨格は痩せ型である。
脳血管障害後の歩行様式。
若くしての大きな病気の為、精神疲労も強い。触診では頚部・腰部・殿部など様々な部位に筋緊張が診られた。

治療

右半身を庇うせいか左の殿部に強い痛み。
中殿筋を触診すると認知覚が診られた。

右下腿部の疼痛と感覚障害に対しては腓腹筋・ヒラメ筋にアプローチ。
他自律神経症状に対しては頚部の筋に対して施術を行いました。

トリガーポイントアプローチ

頚部:①頭半棘筋②大後頭直筋③胸鎖乳突筋
殿部:中殿筋
下腿部:腓腹筋・ヒラメ筋

脳出血後のリハビリしながらの治療という事もあり、刺激量なども考慮してトリガーポイント内在筋を厳選し、治療を行った。

治療経過

週1回の治療を行う事とした。
治療を重ねる毎に自律神経症状が回復。リハビリとの併用により運動機能も改善しつつ自律神経機能も回復。
歩行様式も大分改善する。
3ヶ月後には仕事に復帰した。
初めの精神疲労も大分改善。現在では仕事をしながら週1回の治療を継続している。
右半身の麻痺も少しずつ運動機能や感覚機能が回復してきている。

まとめ

脳血管障害後の鍼治療

今回のケースでは患者さんの若い年齢もあり、リハビリ・鍼治療を意欲的に取り組んだ結果早期に仕事復帰・運動機能回復が出来ました。

鍼治療で全て回復…というまではいきませんが、西洋医学的なリハビリとの医鍼連携により運動機能回復だけではなく、トリガーポイントアプローチによる回復効果をより促し早期回復を目指す事が出来ます。

脳血管障害では自律神経症状が後々に出る事が多く、頚部への治療は患者心理の安定化にも繋がります。

鍼治療の治療範囲は広いです。
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