症例報告
症例報告
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頚性うつ

主訴

頚や肩が痛い。凝る。
仕事も忙しく眠りも浅い。
肩甲骨の間の筋肉や首が凝っているのが分かる。
やる気が出ず気分がうつっぽい。
筋肉のコリが原因でうつの様な症状が出ていると本人が感じ、受診した。
薬などを服用しても治る気配が無い為鍼治療をしてほしいという事で来院した。

視診・触診

視診では特に異常は見られなかったが、触診をすると皮膚緊張が強く明らかに頚部・背中あたりの筋緊張も見られた。
初めから首のコリがうつに関係性があるかもしれないと感じて受診する人は少ないですが、今回の患者様は心理学も勉強している方だった為、コリが原因でこの様な症状が出ているのでは?と感じたようです。

治療

背部第三胸椎棘突起直側の多裂筋・回旋筋
頚部半棘筋・板状筋・胸鎖乳突筋を中心に治療を行った。

治療結果

治癒まで5日間連続で受診してもらいました。
徐々に症状は改善し、コリも消失。

まとめ

普通はこの症状が出た場合は心療内科を受診する事が多いでしょう。
その場合薬物療法中心の治療が始まります。
それでも結局コリは取れずに症状は寛解しない事が多いです。
人によっては『コリを感じ無い人』というのも注意が必要です。
100人いたら100通りの痛みの感じ方の違いがあるように、コリを感じ無い人は一気にうつ症状が出る人もいます。
一気に出れば心療内科を受診してコリだと気が付かずに長い期間を過ごす事になるでしょう。
コリはメッセージです。
コリを感じてうつっぽい症状が出れば、首のコリからうつ症状が出る『頚性うつ』と考える事も大事ですし、コリを感じないでうつの症状が出れば『首のコリが原因かもしれないな』と考える事も大事でしょう。

近年心療内科系疾患が増えています。
慢性疼痛疾患も増えています。
なぜ増えるかと言いますと、悪くなる人よりも良くなる人の方が少ないからです。
だから増えていくのです。
つまり患者様は『治る治療』を探さなくてはなりません。
見つけた治療が『治る治療』ならば、それを続けるのがベストでしょう。
自分の体質的に今かかっている症状というのになりやすい体質ですから『治る治療』を見つけたらそれを自己メンテナンスの一つとして加えるべきです。
当院でも症状はある程度回復していますが定期的に続けている方が多いです。
『回復しているにも関わらず今後も自分の身体と相談して続けた方が良い、と患者様自身が思える治療』というのが私は最良だと思います。
回復していないにも関わらず続けてしまっている方が多いのです。

最近当院に来た中学生の肩こり・頭痛患者で、ほぼ毎日の様に長い期間ロキソニンを服用している子が「鍼で治して下さい」…という事でお母様の紹介で来ました。
その子は3回ほど治療をしたら薬を飲まなくても過ごせる様になりました。
そんな若い子に今からロキソニンを処方するという考え方が私には納得が出来ません。
痛みが強い場合は痛み止めを服用しながらの鍼灸治療というのも必要な時がありますが、根本的に治そうとしていないのに痛み止めを処方する意味が不明です。
熱くなってしまいました…恐縮ですm(__)m

まだまだ首からくる体の様々な症状というのは認知が少ないです。 私は若輩者ながら、首から出る様々な症状に関して鍼灸治療で改善するという事を地域の皆様に認知して頂ける様に努力します。
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