症例報告
症例報告
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頚性めまい

主訴

3年前からメマイがひどい。
グルグルと回るようなメマイである。
色々な病院へ行った。全て検査は行った。
耳鼻咽喉科や心療内科などにも通った。しかし対症療法のみで根本解決には至らない。
1年前より他の治療院にて鍼治療やマッサージなどを行っているが改善がない。
首が支えられない程辛い。フワフワ感が出ている。
3年間ほぼ、出かけられない様な状態で仕事も出来なくなってしまった。
家事などもあまりできず、早期に何とかして欲しいという事でご来院されました。

視診・触診

視診の段階で首はほぼ固定の状態で身体と顔の向きが一緒になっており、首を動かすのが恐いという事がうかがえた。
触診では無意識にチカラが入ってしまっている状態でした。

治療

筋肉の緊張が強かった為、無理に手技療法は行わず、初めに鍼治療にて深部までアプローチを行い、視診後に手技療法を加えながら鍼中心の治療を行いました。

(頚板状筋)
(頭半棘筋)
(肩甲挙筋)

上記の筋肉に明らかな筋緊張があり、それらが原因でメマイが出現している「頚性メマイ」と判断し治療を行いました。
頭のフワフワ感などが強く、肩甲挙筋にも通常の倍程度の刺鍼を行いました。

優先度:肩甲挙筋 > 頭半棘筋 > 頚板状 > その他

1回目~6回目:なかなか効果が出ませんでした。
7回目~10回目:自覚症状に変化はありませんでしたが、他覚的な所見では、明らかに初診時よりも筋緊張の緩和が見られました。
11回目~15回目:治療後に楽だと感じる時間が出てくる。久しぶりに一定時間であれば家事を頑張れる様になる。
16回目~20回目:治療後は必ず楽になる。しかしまだ何日も調子が良い日が続く訳ではない。

現在継続治療中。

まとめ

頚性メマイ

西洋医学でも首のコリがメマイに関わってくるとやっと認知されてきました。
しかし特にそれをどうにかして治療をするという訳でもなく、少しのマッサージ治療や電気治療などをしている程度です。
首の筋肉は細かい為、『首』という大きな部位で見るのではなく、『首の○○筋』という小さな部位に分けて考えなくてはなりません。
メマイ症状の多くは首のトリガーポイントが原因で起こります。
特に今回治療した3つの筋肉は非常に重要な治療部位です。

今回のケースでは初めの5回の治療は細い鍼にて治療を行いました。
6回目以降は普通の鍼にて深部を的確に狙って治療を行いました。

この様にメマイが出るレベルの患者様は既に大分筋肉の状態が悪い事が多く、鍼の刺激量にも注意が必要です。
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