症例報告
症例報告
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寝ているときの、腕のやるせない重だるさ

主訴

トレーニング後、首・肩から肘にかけての重ダルさと痛み・痺れ

問診

4日前に会社の行事でトレーニングをしたそうです。。。

何種目かやったうちの一つ、『腕立て伏せ』をした時に首肩に違和感があった。

『意外とできるじゃん…』と、直後は特に症状もなく気に留めていなかった。

しかし、
夜中に首肩の張り感や肩甲骨から肘にかけて何とも言えない重ダルい痛みが出てきた。

何度か痛みで目が覚めたものの、いつの間にか朝を迎えていた。

とりあえず2日間は様子を観てみたが、一向に痛みは改善せず、、、

初めの頃は首肩の硬直感と腕にかけての重怠さの症状が徐々に肘周辺だけに集中してきた。

現在は肘周辺の重怠さと痛みがとにかく強く、痺れも少しある。

日中何をしてても常に気になる状態で仕事にならない。。。

元々、慢性的な首肩凝りがあり、頻繁に寝違いやギックリ首のような症状も起こす。

これまでに鍼は何度か経験はある。
少しでも早く改善できればということでご相談がありました。

視診・触診

視診
筋緊張によって患側の肩甲骨の挙上がみられる。

触診
首〜肩、肩甲骨周辺の筋緊張及び首の浮腫もみられる。
また、棘下筋や上腕三頭筋の停止に顕著な圧痛がある。

治療部位

①頭半棘筋
②僧帽筋
③肩甲挙筋
④板状筋
⑤棘下筋
⑥上腕三頭筋
⑦肘筋
⑧総指伸筋

治療経過

1回目
術後、肩甲骨周辺と肘の重怠さが一時的に強く感じる。

2回目
肘周辺の症状は2割軽減。
首肩の痛みも以前より痛み低下。

3回目
肘の症状は7割軽減。
気にならない時間も出てきた。
首肩の痛みは改善。

4回目
調子良い。
痛みも消失した。
その後数回治療。
症状は出なかった。

現在は首から腰まで全身まとめて2週に1回程度、メンテナンス継続中である。

まとめ

腕をぶら下げているのを支えている筋肉たち


実は腕、重たいのです。

体重の3~4%あるとされており(マッチョな人はもっと重い)常日頃、腕がぶら下がっている状態では60キロの人ならば2キロを無自覚に支えている場所が『肩関節』というところです。

スポーツ選手もインナーマッスルを鍛えるように、やはりこの部分はトリガーポイントによる不調が生じると、さまざまな疾患の原因になるのです。

今回のケースでは、肩甲骨後面に在る『棘下筋TP』による関連痛が肘のダルさや痺れ感の原因でした。

本人は肩に肘の症状の原因があるとは気がつきにくいので、治療までに時間が経過することが多いのです。
ちなみにこの『棘下筋』という筋肉は、構造上寝ているときにも敷布団と肩甲骨に挟まれる筋肉でもあります。(側頭筋も枕と側頭骨で挟まれる筋肉ですね)

今回の様に『寝られない症状』『夜間の痛み』…というのは棘下筋TPを選択する一つのヒントです。
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