症例報告
症例報告
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おさまっているのか、なおっているのか…『未だ在るTP』

主訴

起床時に腰がガチガチ & 1年以上続く腕のジワジワする痺れ

問診

仕事中、ヨイショと屈んだ時にピキッ!!…と、腰に痛みが走ったそうです。

その瞬間からもう動けなくなり、ガチガチに固まってしまいました。

翌日にも動けない状態で、お友達にサポートしてもらって近所の整形外科クリニックへ行ったそうです。
様子を見ながら痛み止めを服用。

4〜5回ほど通院し、2週間経って徐々に痛みは改善したそうです。

しかし、
起床時に腰が固まって20分ぐらい動けない。。。ということが多くなるように。

時々ピキッと腰に走る痛みが多くなってきている。
日中になるにつれて腰の動きは良くなり、痛みも少し楽になる。動かしていると楽な状態。

腕の痺れもかれこれ1年以上続いている。良くなったり悪くなったり。。。
キッカケは分からないが常時左手の親指と人差し指にジワジワと嫌な痺れ感がある。

整形外科では頚椎が通常より狭くなっているのが原因と言われしばらく通院したが、一向に改善がみられなかった。

力が入らないなどの症状は特にない。
風呂で温めると一時的に症状の改善がみられる事がある。

首肩こりも20年以上悩まされている。

また、
頭痛や不眠、フワフワ感や眼精疲労などの症状も日常的にある。

元々、趣味でトレーニングを週4〜5回やっていたが腕の痺れが原因で現在はほとんど出来ていない状態。
職場の友人に相談したところ、国立おざわを紹介されご来院につながりました。

(point)
保存療法で『治まった』腰痛
『動かしていると』楽
指の痺れ・20年『放置している』首コリ
頭痛・不眠・フワフワ・眼精疲労

視診・触診

視診
腰部多裂筋に筋膨隆がみられる。

触診
首肩に筋緊張と筋硬結が確認できる。
棘下筋触診時に左手の親指と人差し指に痺れ症状が再現される。

腰から臀部にかけて顕著な圧痛がある。特に腰部多裂筋を触診時に認知覚がある。

治療部位

①頭半棘筋
②僧帽筋
③頭板状筋
④肩甲挙筋
⑤胸鎖乳突筋
⑥大後頭直筋
⑦棘下筋
⑧腰部最長筋
⑨腰部多裂筋
⑩中殿筋

治療経過

1回目
術後、腰の動きが良い。
首の可動域も広がる。

3回目
前回後、腰の症状は残り3割まで軽減。
起床時も以前より早く動けるように。
腕の痺れも少し改善。

5回目
腰の自覚症状は消失。
首肩凝りも軽減し、頭痛も治療開始してから一度も出ていない。
痺れはまだ残存。

7回目
首肩や腰の調子は良い。
腕の痺れはあと1〜2割。

12回目
調子が良い。
腕の症状も消失。

現在も定期的に週一度の治療を継続している。

まとめ

ここが盲点!痛みが『おさまって』いるのか『なおっているのか』


カラダの痛みや痺れの盲点をお話します。
トリガーポイントは①疼痛②痺れ③自律神経症状を出します。

③に関しては『頚部浮腫』が問題です。
首が浮腫んでいる自覚がない為、自律神経症状を引き起こします。

さて、
①疼痛②痺れ…というのは、重度のトリガー活性のケースでは常に痛みや痺れが続きます。

しかしギックリ腰のように『急に出てきた痛み』に関しては、
ある程度安静にしていれば痛みは『おさまって』きます。

これが問題です。
痛みが『おさまっている』のを痛みが『なおった』と脳が感じてしまうことです。

痛みが『なおった』と思うのは、実際には『トリガーポイントの活性化による脳への信号が途絶えた』という状態です。

つまりそこ部位にはトリガーポイントは『まだ在る』ということになり、
その『未だ潜在するトリガーポイント』を潜在性トリガーと呼びます。

この潜在性トリガーを外科的に鍼で処理することが重要なのです。

特に『首』に関しては細かい筋肉の集合体であり、
その細かい筋肉は重たい7キロの頭を常に支えています。

常に支えているからこそ気がつきにくい『コリ』があり、その『コリ』がいずれ不定愁訴を生み出してきます。

おさまっているのか?
なおっているのか?
凝っているのか?
気がついていないだけなのか?

トリガーポイント治療は本人が無自覚なコリを、
鍼で打ち抜いてズーンとした刺激を与えることができる…つまり、
施術者が無自覚なコリを『外科的に』見つけてあげることができる最強メンテナンスなのです。
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