症例報告
症例報告
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首が回らない...半年間振り向けずに仕事も休職

主訴

首がガチガチで回らない
気が付けば耳の閉塞感・不眠症

問診

きっかけは昨年の夏、習い事の座学の授業を受けている時だった。

1週間もの間、冷房のかなり効いた室内で講習を受講している際に首肩が強張る感覚があった。
その後、身体がどんどん硬直していき、上を向いたり振り返る事ができないほどの可動域制限と痛みも伴うようになってきた。

約1ヶ月セルフケアなどをしながら様子を見たが症状の改善はみられず整形外科へ。
骨に異常なく、光線治療と理学療法をすすめられる。
週に2〜3回の通院を約半年続けた。通院期間は仕事も休職。治療に専念していた。

ペインスケールは半年間で10→7〜8まで減少したが、たいして変わった印象は無い。

今年から介護の仕事に復職。
復職したものの、上記の症状の他に、不眠や耳の閉塞感も出てきた。

また休むわけにはいかないと、徹底的に治す覚悟で国立おざわを探して来て頂きました。

視診・触診

視診
異常はない。

触診
頚肩の筋緊張及び圧痛がみられる。

治療

主な治療部位
①頭半棘筋
②僧帽筋
③胸鎖乳突筋
④肩甲挙筋
⑤板状筋

治療経過

1回目
重怠さが2日間残ったがその後は少し痛み軽減。
可動域も少し上がった感あり。

2回目
前回同様術後は違和感が残る。
徐々に痛みと可動域の改善がみられてきた。

3回目
調子が良い。
今まで自転車に乗って振り返ることが出来なかったので控えていたが、やっと乗れるようになった。
触診した際、以前に比べて筋緊張もかなり低下してきた。
自覚症状も残り2〜3割。

7回目
症状は改善。
半年間の変化のない症状は3週間で根治した。

重労働の介護職ということ。
まだまだ仕事も元気に続けたい本人の希望もあり、身体の負担を考え週に1度の治療を継続している。

まとめ

トリガーポイントが活性化する要因の一つ『寒冷刺激』

問診時に可動域のチェックをした際、頚部の伸展及び回旋動作がほぼできない状態でした。
振り返る事ができない為、昨年頚部を痛めて以降、自転車にもほとんど乗れておらず日常生活に支障が出ていました。
本人も整形外科で光線治療や理学療法など約半年通院したにも関わらず2〜3割程度しか改善しなかった事で、ずっとこのままの状態なのかと不安になっていたそうです。

今回のケースの様に、『筋肉が触診できない程の過度な筋緊張』の状態ではマッサージ・ストレッチなどは逆効果になることがあります。これは注意が必要です。

鍼治療はトリガーポイントに対して外科的に直接刺激ができます。
慢性症状はもちろん、寝違えやギックリ腰に対しても即効性があり早期改善かつ症状の根本的な治療ができます。

これから冷房シーズン。冷えの刺激はトリガーポイント活性化の要因の一つです。
扇風機が直接当たったり、冷房が直接当たったり、冷えの刺激で急性の症状が出現し、トリガーに歴史がある場合はそのまま今回のケースの様に痛みが継続する頑固な症状にもなりえます。

ご注意ください。
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