症例報告
症例報告
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足くるぶしの痛みと腫れ・30年の腰痛症

主訴

30年の腰痛。
足のつっぱり感がある。痺れも出る事があり歩行困難になる。
時々足の外くるぶしが腫れて原因不明の発赤などが出る事もある。これはストレスなど、疲れている時に症状が出現する。
左のお尻が常に突っ張っている状態である。
長時間の移動(バス・飛行機など)があると、じっとしていられない。
あぐらをかくと痛みが出てくる。
仕事などのストレスで自律神経が乱れ、通院していた既往もある。現在はカラダのコリが原因であると判断し通院はしていない。
背中もコリが強い。首も凝っている。
クリニックでトリガーポイント注射を行っていたが改善がない。効果は1日程度である。
ヒザ下のスネの横がひどく痛む時がある。
色々とコリが強いが、とにかく腰痛と足のつっぱり感だけでも早期に何とかして欲しいという事で当院にご紹介にてご来院されました。

視診・触診

視診では特に異常は診られなかった。
触診では腰部最長筋・腸肋筋・多裂筋、中殿筋・小殿筋、前脛骨筋に筋緊張が強度にみられた。

治療

鍼治療中心の治療を集中的に行いました。

①大腿筋膜張筋 ②前脛骨筋
③中殿筋&小殿筋

これらを集中的に治療しました。

1回目~3回目:足のツッパリ感などの症状が改善する。
4回目~7回目:筋肉の緊張が大分取れる。くるぶしなどの腫れや痛みなども消失する。

まとめ

医師によるトリガーポイント注射と鍼師によるトリガーポイント鍼治療の違い

今回のケースでは、長きに渡る症状の為改善までにもうしばらくのお時間がかかると思います。
しかしながら患者様ご本人が「治療をしている実感が非常にある」と言います。
「治療している実感」をなぜ感じられるかというと、鍼治療による認知覚があるからです。
認知覚とは「そこだ!そこが私の悪いポイントだ。」と感じる所に鍼が当たっているという事です。
(患者様の刺激量に応じて響きはコントロールしています)

医師によるトリガーポイント注射は患者様が『ココが痛い』と言ったポイントに注射を打っている…という事が多いのですが、鍼師のトリガーポイント鍼治療は『そこだ!そこが悪いポイントだ!』という響きのポイントを探して治療を行います。
慢性的な痛みは「ココが痛い」というポイントではない所に本当の原因が隠れているものです。
つまり、言い方が悪いのですが、患者様が『ココが痛い』と言った場合、施術者はそれを疑わなくてはならないのです。

①トリガーポイント注射:『ココが痛い』→「ではココに注射を打ちましょう」
②トリガーポイント鍼治療:『ココが痛い』→「ココに原因が無いのではないか?」→収縮痛などを調べ痛みの原因筋の診断を行う→鍼を打ち認知覚を探す。

世の中には2000万人の慢性疼痛を抱える患者様がいます。
お辛い痛みを抱え、2〜3時間待って、5分程度の診療を受けた経験がある患者様も少なくないのではないでしょうか。
運動器を扱うクリニックは混み合っていますが、治らないから混み合っているのです。
『痛いトコロ is 悪いトコロ』という概念を捨てなければ慢性的な痛みは治りません。

日本は超高齢社会になります。
痛みを『本気で』治さなくてはなりません。
ご自身のお体を『本気で』考えなくてはならないのです。
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