症例報告
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偏頭痛と緑内障。眼圧亢進はなぜ起こるのか?…の根本的な原因を探る

主訴

20年の偏頭痛&緑内障による眼圧亢進

問診

20年前から偏頭痛を発症するようになる。
当初から頭痛外来で治療を受けたりしたが全く良くならない。

ほとんど毎日体が重く疲れている。
常に後頭部から肩甲骨にかけて重痛い。
眼精疲労も凄く目の奥が痛い。

そのせいか分からないが緑内障を患って長い。
夜もぐっすり眠れず起床時から疲労感がある。
20年のうちの後半からはずっとそんな感じでこれが当たり前になってしまい自分の体がよくわからない。
悪い状態すら分かっていないという感じ。

友人と食事に行くと「真顔になってるよ!目、笑ってないよ!!」と指摘される事が多い。

これまで色々な治療、運動、セルフケアを試してきたが効果的なものがなく月日が経ってしまった。

友人に勧められ鍼治療を知り、藁にもすがる思いで来院を決意。

視診・触診

目が据わっており生気が薄い。
交感神経緊張で皮膚のベタつきが診られる。
首にシワがないくらい筋肉がパンパンに張っており、軽い触察でも痛む。

うつ伏せ時も体の力が抜けない様子。

治療方針

頭痛の9割は緊張型頭痛、いわゆる首肩コリによる循環不良から来ているとされています。

しかし長年の頭痛と同時にそれによる心身へのストレスもかかり続けた結果、様々な自律神経症状を併発。

それぞれの症状の原因となっているトリガーを除去すべく治療を行っていくことにした。

治療筋

僧帽筋
胸鎖乳突筋
頭半棘筋
頭半棘筋停止部
後頭下筋群
咀嚼筋

1回目
治療直後から首がかなり軽く楽になった。
夜もよく眠れ20年ぶりの感覚。
数日間とても調子が良く嬉しくて泣いてしまった。

2回目
治療数日は調子が良いが少し経つと辛くなる。
しかし以前と比べものにならないくらいのレベル。
偏頭痛も出るがさほど酷くならない。
上半身が軽くなった分腰から足にかけてが重く感じる。

3回目
偏頭痛が減りほとんど日常に支障なく過ごせている。
首肩コリは気になる。

5回目
1ヶ月間薬を飲まずにいられた。
初めての事である。
睡眠もしっかりと取れており気づいたら食いしばりも無くなった。

6回目
調子が良くなったため外出する気分になれる。
友人に久しぶりに会ったら顔色が良くなったと指摘される。

7回目
季節の変わり目に入り少し発症するかもと思ったが持ち堪えた。

8回目
仕事がキツい日が続くと頭痛っぽくなる日もあるが薬を飲むレベルではなく普通に過ごせる。
久々に眼科に行くと「眼圧が下がっている」と言われる。

その後数回治療し主訴は改善した。
月に数回のメンテナンスを含めた治療を現在も継続中である。

まとめ

緑内障による眼圧亢進症状と首コリ頭痛


『鍼治療で眼圧は下がるのか?』…首コリと眼圧は大きく関わっている事実があります。

頚部に出来たトリガーポイントを処理していくことにより徐々に眼圧が下がっていく人が多いのです。
トリガーポイントによる頚部浮腫・交感神経緊張が眼圧に関わっているのではないかと感じています。

眼圧や血圧、そして頭痛に関わるポイントは共通です。
特に後頭部の深部にある『後頭下筋群トリガーポイント』に原因が潜んでいる様に感じています。



後頭下筋群のうち、大後頭直筋(上の図)という筋肉に鍼先が当たるとズーンとした感覚と共に『目の奥に響くような感覚』が出ます。
この響きが起こると緑内障による眼圧亢進が徐々に緩和されていきます。
高血圧の患者さんも血圧が下がります。

ずっと薬を飲んでいる人もいます。
この部位の治療をしてから薬をやめられる人も多いです。
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