症例報告
症例報告
image image

脳神経外科に行っても原因不明…後頭部のモヤモヤした違和感の正体とは。

主訴

後頭部の違和感、モヤモヤ感 & 目の奥に響く頭痛

問診

数か月前から後頭部の違和感がある。
モヤモヤしたような…。それと目の奥に響くような頭痛もある。

心配になり脳神経外科で検査を行う。しかし異常は診られない。
『大後頭神経痛』と診断され痛み止めを処方される。

数ヶ月服用を続けているが、効果が診られない。
最近は後頭部が常に重い感じである。
鍼治療やマッサージなどを受けてみるが、それも数日良いだけで治っている感はない。

今回インスタグラムで後頭部の記事や動画記事を見て、来院して頂きました。

視診・触診

頚部浮腫及び後頭骨付着部の『後頭下筋群』+『頭半棘筋』のトリガーポイントを集中治療する事にした。

治療部位
①頭半棘筋
②大後頭直筋
③上頭斜筋

治療結果

計三回

初回
後頭骨に付着する筋のトリガーポイントに鍼が当たる度に認知覚
(認知覚とは、「そこだ!そこが悪い所だ!」と、本人が自覚するところ)
治療後から『初めて悪い所に鍼が当たってくれた』とのこと。

2回目
初回治療時から1週経過していたが症状は無し。
数か月ぶりに後頭部のモヤモヤ感や頭痛が無い1週間だった。

3回目
いずれも症状は再現していない。

現在は2週間に一度、モヤモヤが始まりそうな感覚が分かるようになったとのことで、その時に連絡いただいて治療する流れにて継続治療中である。

まとめ

後頭部付着部の可能性~どうしても首は凝る場所でもある~

現代社会において『首コリ』はどうしても凝ります。生きているから凝ります。

スマホ・パソコンなどによる負担。頭は6キロ。それを支える首はどうしても負担がかかってしまいます。

現代に増えている病の本質は『首』に在ります。


後頭部には奥の方に細かい筋肉が付着しています。


このポイントは『頭半棘筋』の付着部。
トリガーポイントは『異構造接合部』に多く存在します。

後頭部に付くこのポイントはトリガーが沢山形成されています。
そして様々な不定愁訴の原因となります。


この様な打ち方で頭半棘筋と大後頭直筋を一気に治療する手法もあります。

不思議と頭半棘筋という筋肉はその下の後頭下筋群を守るように付着しているのも、この後頭下筋群が重要なポイントであることを関連付けている様に私は思っています。

先日、思い立って38歳で医学部に進学してしまった歯科医師と話しました。
彼との会話の共通点は『頚部浮腫による副交感神経圧迫』でした。
私は頚部トリガー除去による浮腫の除圧。
彼は歯列矯正で頚部環境を改善する事により不定愁訴が軽減する例を何度も見ており、今度一緒に研究しよう!と、盛り上がりました。

首には未来が詰まっています。
ただ、治療できる鍼師が少なすぎるのがもったいないんです。
image