症例報告
症例報告
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大きなストレスを感じてから…数年間食欲が無い。機能性ディスペプシアの鍼治療

主訴

吐き気・食欲不振 → それに伴う体重減少

問診

10年近く前からの症状。家族の病気が発覚しそれがきっかけで食欲が低下する。
症状に波はあるが徐々にひどくなっている感覚。体重は10キロくらい減った。
吐き気が酷い時は過呼吸にもなり入院したこともある。
その際ありとあらゆる検査をしたが異常は診られなかった。

最終的に精神的なものと言われてしまい心療内科を紹介され機能性ディスペプシアと診断。
その後色々な病院に行き今は漢方を服用。1週間のうち3日くらいは食べれない。

1日にポカリ1本だけということもある。無理をして食べるとお腹を下してしまう。

食べれないことが楽しくない、趣味の旅行にも数年行けていない。

以前整骨院に通っていた事があり、数回治療を受けるもあまり効果も診られなかった。
鍼は初めてで緊張している。

視診・触診

自律神経の調整を目的に後頭下筋群を。
胃腸の機能を改善させる目的で多裂筋(背部)の治療を行いました。

1回目
初めての鍼治療ということで細めの鍼を使用しました。治療後、少しスッキリしたかもしれない、、、とのことでした。

3回目:10→5。
食べれなくなる頻度が減る。
まだ、週1回ほどは食べれない事がある。

5回目
徐々に食べれる日が増える。
体重も増えてきた。

10回目
症状は改善し、食欲も通常通りに戻りました。

まとめ

機能性ディスペプシアの治し方と盲点


機能性ディスペプシア(FD)は聞いたことがあまりない病名ですが『よくある病気』です。

①心窩部痛(胸骨の下〈みぞおち〉の痛み)
②心窩部灼熱感(みぞおちの燃えるような痛み・ムカムカに近い)
③食後のもたれ感
④早期飽満感(食事し始めたらもうお腹いっぱい)

…のうち1つ以上の症状があると疑われるものです。

ポイントは胃カメラなどで調べても炎症やピロリ菌なども無く『原因が分からない』ということです。

治し方…というと、西洋医学的には食事療法・胃酸の薬・胃の運動の薬・生活習慣…という治療法になります。

トリガーポイント治療では、今回のケースの様に『消化器系(今回は胃の裏)のトリガーポイントが原因で内臓に不調が出ているのではないか?』と、考えます。

食事療法しても、
胃酸の薬飲んでも、
胃の運動の薬飲んでも、
生活習慣を治しても、、、
症状が変わらない…という人が、国立おざわにはよく来院します。

背骨を守るように付着する多裂筋という筋肉は、その部位に応じた自律神経症状を出します。
逆流性食道炎にはこの部位
動悸にはこの部位
咳喘息にはこの部位
慢性疲労症候群にはこの部位…と、症状に応じて打つトリガーポイントがあります。

機能性ディスペプシア(FD)は『胃』に関わる症状なので、胸椎の胃の裏周辺のトリガーポイントが活性化して

①心窩部痛(胸骨の下〈みぞおち〉の痛み)
②心窩部灼熱感(みぞおちの燃えるような痛み・ムカムカに近い)
③食後のもたれ感
④早期飽満感(食事し始めたらもうお腹いっぱい)
…という症状が出ていることが臨床データから出ています。

これが機能性ディスペプシアの治し方と盲点です。
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