症例報告
症例報告
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ホルモンバランスの影響なのか…ストレスの感受性が強くとにかく眠れない…慢性的な寝不足

主訴

頭痛・不眠(中途覚醒)・肩凝り

問診

5年以上前からの症状。
慢性的に寝不足が続いている。
なかなか寝付けない。

途中で目が覚める。子供が小さいとき夜中に何度も起こされていて、その頃から睡眠の質が低下している。
子供はもう大きいが(小6)それ以降も夜中に目覚めてしまう習慣がついてしまった。

ほぼ毎日2〜3時間で目が覚めてしまう。ホルモンバランスの影響か、月1回くらいの頻度で全く眠れないことがあり、そのときは1度目が覚めると全く眠れない。

ここ数日調子が悪く、2時間ほどの睡眠しか取れていない。

酷い頭痛がある。痛み止めを飲んでも治らない。枕も何度も変えている。

ここ最近仕事も忙しく生活環境に変化があったのでストレスは感じていた。

マッサージや整体などにはよく通っている。しかしすぐ元に戻ってしまう。
病院に行き睡眠導入剤などは貰っているがあまり飲まないようにしている。飲んでも効果があったりなかったり、、、

今回初めての鍼治療。当院患者様からの紹介でご来院されました。

視診・触診

皮膚緊張も強く痛覚過敏状態。
軽い触診で痛みが強く診られ、特に頭半棘筋停止部を触診時には頭痛が再現痛として出現。

頚部トリガーポイントによる交感神経過緊張状態と判断しました。

治療

頚部TPにより頚部浮腫。交感神経緊張状態である。

副交感神経を活性化させる目的で
①後頭下筋群
②頭半棘筋
③僧帽筋を中心に治療を行いました。

1回目
治療後の重だるさが少し残る。頭はスッキリ。

2回目
生活に支障が出るレベルでの頭痛であったため、連日治療。頭痛は10→5。痛みは半減。

3回目
5→0。
頭痛は消失。睡眠時間も4〜5時間はまとまって眠れるようになる。

5回目
ストレスがかかるときに少し眠りが浅くなる感じは残る。
しかし痛み止めや睡眠導入剤を服用することはなくなる。

10回目
しっかりと深い睡眠が取れるようになる。
今までより楽に生きられる様になり、ストレス耐性も強くなった気がするとのこと。

現在も定期的に治療を継続している。

まとめ

首凝りと眠り~枕のせいにしちゃダメ~

枕ビジネスが未だに過熱しています。
高い枕を買う必要はないし、オーダーで作る必要もありません。

枕は『それなり』が一番です。

頚部浮腫による不定愁訴は限りなくあります。
現代社会では『これは首凝りによる症状である』と気が付くまでに多くの時間を費やしていることが多いです。
その時間の中で「何が悪いのか…」と考えた結果が『枕』になるのでしょう。

悪いのは枕ではなく、『首』です。首の環境が変わらないとよい枕も見つかりません。
だから枕は『それなり』が一番です。

さて、
首凝りと眠り…についてですが、そもそも『眠ること』というのは自律神経の副交感神経がグググッと上がり、リラックス環境になると寝る(脳を休ませる)ことが出来る身体の状況になります。

頚部浮腫による交感神経緊張が当たり前の状態の現代人の首は、直ぐに寝られるよ…という人でも実は眠りが浅い実際を招いています。
頚部環境の悪化により『ストレスの感受性』も高くなります。普段感じないストレスも感受性が高まる為、自覚ありなしに関わず身体には辛く響いてしまいます。

今回治療した頚部のポイントは、自律神経はもちろん『脳血流』にも関係した部位です。脳血流の上昇による脳疲労回復効果も不眠症には有効です。
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