鍼治療には、痛みの元となる部位に直接アプローチするトリガーポイント療法という治療法があります。当院では、このトリガーポイントによる鍼治療の技術を独自に高め、当院でしか受けられない鍼の響き感覚や手技療法の確かさで、患者様の日頃から抱えている痛みや悩みを根治に導きます。
鍼治療には、痛みの元となる部位に直接アプローチするトリガーポイント療法という治療法があります。当院では、このトリガーポイントによる鍼治療の技術を独自に高め、当院でしか受けられない鍼の響き感覚や手技療法の確かさで、患者様の日頃から抱えている痛みや悩みを根治に導きます。
近年のストレス社会によりヒトの身体は交感神経緊張症状になり、免疫機能は低下・ストレス感受性の増加・普段からの痛みの部位の悪化など様々な症状を引き起こしてしまいます。自律神経機能が乱れると身体に様々な障害が出てきます。トリガーポイントを刺激すると副交感神経機能が活性化し、免疫の活性・ストレスに対する防御力・痛みの抑制効果などが期待できます。治療を受けた事がある人ならわかると思いますが、トリガーポイントを刺激した後は副交感神経の活性で動くようになる消化器系が活性化しお腹がよく動くようになります。骨格筋に対するアプローチで様々な部位にアプローチできるトリガーポイント鍼治療は近年の人の活動にとって予防医学になり得る治療です。
トリガーポイントがある筋肉(トリガーポイント内在筋)は無意識に筋肉を伸ばす方向に身体を動かしてしまう癖があります。例えばよく足を組む人はお尻の筋肉にトリガーポイントがあります。腰を曲げたり背中を丸めたりしてしまう人は腰や背中にトリガーポイントがあります。勉強中やPC作業中に首が前に出てしまう人は首にトリガーポイントがあります。決して姿勢が悪いという一言では片づけられません。足を組む人は『身体に良くない』と思って足を組まないように注意しますが、それはお尻の筋肉にトリガーポイントがあるから足を組んでしまうだけなのです。トリガーポイントを治療すれば自然と足も組まなくなるのです。
筋肉の痛みの特徴は、①痛みの範囲が曖昧な局所痛 ②関連痛(首の○○筋にトリガーポイントがある事による腕の痺れなど)の2つがあります。
脳は痛みに対していい加減なところがあり、例えば夜、暗闇で蚊に刺された時に痒い所がなんとなくしかわからなかったり、虫歯の場所を間違えたり、背中に出来た出来物の位置がわからなかったり・・・ そもそも感覚というのは注意を向けた対象の明確な形や像を脳に与えるものです。 しかしながら脳は『視覚を伴わない(目には見えない)痛みや痒みに対して刺激の発生源の大きさを過大に感じてしまう』のです。皮膚の下(深部)には「発痛した所とは違う所に痛みを感じる仕組み」があるのです。
この事実というのは西洋医学が主体である日本において共有されておらず、多くの人は近くに対して勘違いをしていることになります。
見て触って、『ココが痛い場所だ』と認知する事により、初めてココが悪い場所だと感じることが出来ます。暗闇で蚊に刺された場合、なんとなく痒い部分を触り、ココを刺されたんだ、ココが痒い場所だとわかります。虫歯の場合も歯医者が冷たい空気をシューッと当てたりして、「そこが痛い!」と感じるのです。
現代の西洋医学では『どこが痛いですか?』と聞きます。
『痛い場所=病変部』である。『疼痛領域=侵害領域に重なる』と適応してしまっているのです。 つまり深部に原因が潜んでいる慢性疼痛を治したい場合『どこが痛いですか?』という問診は通用しなくなるのです。
治療者は『痛む所は多くの場合病変部(悪い所)ではないのではない』というところから考えを出発しなくては慢性疼痛を治せないのです。
ここが現代医療の慢性疼痛に対する誤った考え方と言えるでしょう。ココが痛いといってその場所に電気を当ててもマッサージをしても根本的な解決にならない事は周知の通りでしょう。『痛い所はどこだ?』というところから考えなおさなくてはならないのです。
例えば肘が痛いと感じたらどうするでしょうか。やはり肘を押したり揉んでみる事により『ココが悪い場所だ』と実感します。痛いと感じた時は大きな範囲で『肘が痛い』と感じており、押したり揉んだりする事により『肘のココが痛い』という痛みの認知が起こります。しかし筋肉の走行は複雑であり、トリガーポイントの触り方に慣れていない一般の人はポイントの発見には至りません。
指が届く部位であればこの様に調べることが出来ますが、指が届かない部位の場合鍼治療でポイントを見つける必要性があるのです。
そしてそのポイントに鍼が当たれば『そこだ!そこが悪い場所だ!』と感じるのです。その感覚こそが『認知覚(にんちかく)』です。痒い所・痛い所に手が届くその感覚こそが痛覚過敏部位であるトリガーポイントなのです。
高齢者に多い変形性膝関節症を例に取ってみましょう。
医学的所見では変形性膝関節症と診断されました。しかしながら筋肉を触診し調べると責任トリガーポイントが存在しその部位を治療することにより完全に鎮痛が得られました。
これの意味するところは『医学的所見で確認された関節内部の変形は疼痛とは全く関係がなかった』ということになります。関節内部の痛みと疼痛の関係性が無いにも関わらず関節内部の治療を行う→慢性的な痛みの増加につながる。
①神経が分布する所(筋膜・腱・骨膜・靭帯・関節包など)
②刺激が反復される所(筋肉と骨の付着部・腱と骨の付着部など)
治療院により違いはありますが、当院ではトリガーポイントに鍼を打った後、10分~15分ほど置鍼(鍼を置くこと)を行います。トリガーポイントに鍼を打った後に時間を置くことにより浮腫んだ筋肉は退縮し、関連痛が起こっている部位周辺の筋肉が弛緩していきます。
1980年代、日本の麻酔科ペインクリニックではトリガーポイント(Trigger point)と呼ばれる部位に麻酔薬を少量注入することで筋肉から発せられる痛みの鎮痛を行っていました。しかし麻酔薬を注入しなくても麻酔薬を注入したかのような痛みの鎮痛作用が在ることもあった。しかしこれは当時解明されていませんでした。
そこからトリガーポイントへの興味が生まれ、現在まで発展してきました。この様に麻酔薬、あるいは薬液を注入しない鍼施術のことをドライニードリングと言います。欧米では一部の麻酔科医が細い注射針を使って施術していたましたが、注射針は組織を切って挿入するため、筋肉の組織損傷が大きかったのです。
そこで組織を押し分けて挿入できる東洋医学の鍼が注目されました。
薬液を注入しない鍼=ドライニードル。それによる施術=ドライニードリング。
ドライニードルという発想があったからトリガーポイント治療が生まれました。そして現在に至り痛みと痺れの疼痛緩和の研究がされています。
トリガーポイント鍼治療は筋筋膜疼痛症候群(MPS)に有効な治療法です。
慢性的な肩こりや腰痛、頭痛などは筋肉に形成されたトリガーポイントが原因で起こります。痺れや痛みも骨や神経が原因でないケースがほとんどです。
MRIなどの画像診断で椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などと診断された例でも本当の痛みの原因は筋筋膜疼痛症候群(MPS)によるもである可能性があります。